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<あらすじ>
息子を失って生きる気力をなくした主婦と、いじめを苦に同じく生きる気力をなくした高校生、その自殺志願者ふたりがクリスマスイブに出会い、ひょんなことから銀河鉄道に乗り込むこととなる。
 その汽車は宮沢賢治原作の「銀河鉄道の夜」と同じ登場人物が次から次へと乗り込んでくる、いわば死に行く者達の列車。その中には死んでしまった最愛の息子も乗っていて主婦にとっては思いがけずうれしい再会で一見幸せなひとときをすごす。
 しかしその列車こそ息子の死という現実を受け止めざるをえない旅となるのである。
列車の中で出会う者達と宮沢賢治らしき黒マントの男や、賢治の妹らしき白マントの女からの響き渡るうたやメッセージなどで、自殺を強く志願していたふたりが少しずつ生きるとはなにか、命とはなにか、死とはなにかを冷静に考え受け止め、生きる気力を取り戻してゆくこととなる。
 

<ねらい>
 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」という作品の最大のテーマに[生きるとは?]そして[本当の幸せとは?]があります。
「銀河鉄道の夜」に登場するカムパネルラや遭難した青年、そしてさそりというそれぞれがぶつかった大きな難題、本当の幸せの為なら大切な命を失ってもいいものかと迷います。現実逃避をするジョバンニは、この本では主婦と高校生にあたります。
 生きる、命、死、幸せ、
その永遠のテーマを「銀河鉄道の夜」と実話を重ね合わせた内容となっています。
 「生きてるだけで役にたつんだ」のことば。
みなさんに届きますようにと思います。  



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